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【婦人科系のガンとホルモンの関係②】
以前の投稿婦人科系のガンとホルモンの関係①ではまず初潮の時期が早まりエストロゲンに強く影響される時期が長くなり乳がんリスクが高まる・・・という投稿内容でした。
つづいて乳がんのリスクが高くなる小学生以降の次なるリスクを投稿いたします。 これには少々女性ホルモンについての知識が必要となります。
乳がんの原因の多くがエストロゲンが関与しているといわれていますが、これはそうだといえますし、そうではないといえます… 歯切れが悪いのですが…
なぜ身体内の内分泌系がエストロゲン優位になってしまうのか…ここに生理前の黄体ホルモンの関与がございます。
前回にてエストロゲンは乳腺細胞・・・または子宮内膜に対して細胞を生み出して分裂しなさいという指令を送ると書かせていただきました。 エストロゲンにより細胞分裂が活発になり、未分化細胞がたくさん生じてくるという現象が起こる。
これが乳がん・・・または子宮がんのおおもとの原因となる。
しかし・・・人間の体はよくできているもので、このエストロゲンにより細胞の子供たちがうようよ出来、それをいっぱしの大人の細胞に成長させる仕組みがあるのです。
これが黄体ホルモンでプロゲステロンと呼ばれています。
黄体ホルモンであるプロゲステロンは、エストロゲンによって細胞分裂により誕生した、子ども細胞(未分化細胞)を、大人細胞に成長させ、細胞として仕事をこなすことができるように、育てていくのです。(分化を促進する)
そして大人になった細胞を、今度は新しい・・・初々しい細胞に入れ替えるためにアポトーシス(細胞の自然死)させる働きがあるのです。
癌細胞は・・・・この一定の時間が経過した後も、細胞が死んでいかない・・・世代交代しない・・・細胞なんです。
つまりエストロゲンによって新しい細胞が誕生する。 その細胞をプロゲステロンのホルモンにより、大人の細胞へと導き 次に自然死を起こさせることにより新しい細胞の誕生へとエストロゲンに役割を引き継ぐのです。
乳がんの原因は確かにエストロゲンにあるのですが、もっとメカニズムを複雑に考えると、エストロゲンではなく、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌不足が大きく関与しているのです。
このプロゲステロンの分泌不足により、エストロゲンの作用が、強くバランスを欠いた状態にて作用しているのです。
では・・・卵巣にてのプロゲステロンの分泌を高めるにはどうしたらいいのでしょうか・・・・
プロゲステロンは排卵を起こす際に卵細胞がつつまれている「黄体」を原料にして作られるようです。 20歳を過ぎてくると女性は無排卵月経が生じるようになり、その結果、排卵をしにくくなるようです。 排卵がない状態を無排卵月経といいますが、この無排卵月経により、プロゲステロンの原料となる黄体不足となり、プロゲステロンが作られにくくなるといったメカニズムが働きます。。
無排卵月経が、プロゲステロンのホルモン生成のメカニズムを狂わせて、エストロゲンによる細胞増殖をコントロールできなくなるわけです。それにより乳がんのリスクが非常に高くなるというわけです。
では・・・・プロゲステロンの生成を妨げる無排卵月経はなぜ起こるのか・・・・
前回の投稿にて高カロリー食と運動不足がエストロゲン分泌を高めて初潮の時期を早くするといいました。
これに加えて、
①腹部臓器の血流不足と冷え
②糖質の過剰摂取および食生活の誤りによる、食後の高血糖状態
③精神的ストレス
などが思春期に加味されると、無排卵月経を生じてプロゲステロンなの生成を円滑にできなくなり、ますます若年性乳がんリスクが高まります。
くどいですが、エストロゲンは、乳腺細胞に・・・・細胞よ!分裂しなさい! と命令します。 その細胞分裂した初々しい細胞をプロゲステロンが大人の成熟した細胞に成長させ、最後に細胞死に導き、またエストロゲンによる新しい細胞の生まれる環境を提供しているのです。
つまり・・・乳がんの原因は・・・エストロゲンというよりも・・・プロゲステロンの分泌不全状態の身体が・・・・根本的な原因であるということです。
納豆や乳製品・・・はたまた石油系の化学物質によるエストロゲン様作用への気遣いも大事ですが…・生理がある方につきましては、プロゲステロンの分泌を正常化させ、エストロゲンとバランスを生じさせることのほうが大事です。
現代女性は・・・多くの方がエストロゲン優勢の状態となっているようです。 これは・・・エストロゲンが多くなっているという側面もありますが、プロゲステロンの分泌不全により、結果的にエストロゲン優勢の身体状態になっているということが、根本原因です。
その原因を解決して乳がんリスクの成長段階においての2番目のリスク回避策は・・・
①高血糖状態となるインスリン抵抗性と呼ばれている状況を作らない事。
糖質の過剰摂取を減らして、よくかんで食べて、同時に食物繊維などを積極的にとるということが大事です。
肥満も大きく関係いたしています。 過去に「キクイモ」をご紹介したしましたが、糖質を食物繊維がくるんで吸収しづらくする食材もご紹介いたしました。
②腹部臓器の血行促進と冷えを解消する。
これには温熱療法などにより温めるということと、血流を促進するために呼吸を力強く行い横隔膜の運動にて腹部の血流促進を促す。
③ストレス対策のために、適度な有酸素運動を行う。 手っ取り早くウォーキングを励行するということが手短な方法だと思います。
この3つの実践にて、乳がんの原因となる真の要因・・・プロゲステロンの分泌を活発にして、優勢な体内エストロゲン過剰の状態をバランスさせることができます。
乳がんの予防にて、エストロゲン様作用の食品を口にしないというお話がございますが・・・それだけでは予防法として片手落ちとなるでしょう。
ぜひ・・・無排卵月経とならないように、3つの要因を正してプロゲステロンの分泌を正常化していただきたいと思います。
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